乙第33号証
陳述書

平成30年4月5日



大阪地方裁判所 第25民事部 合議2係 御中

非常勤講師 林智子


1 私は、平成27年4月1日から大阪府立東住吉総合高校で、英語の非常勤講師をしております。

2 本件で問題になっている平成27年5月15日(金)の2時間目ですが、私は1年2組の教室で「基礎英語総復習」の授業をしておりました。
 その時間には、最初、数名の生徒に、前の授業(5月12日4時間目)のときに生徒への宿題にしていた「プレップイングリッシュ」という問題集の問題の答えを黒板に書かせ、私は、生徒の机間を回ってプレップイングリッシュの解答状況や正しく記載できているかなどについてチェックしたり、生徒からの質問に答えたりしていました。
 そして、そのチェックに時間がかかりそうだったので、私は生徒に対し5月22日に提出してもらう予定の中間テスト前の課題プリントを配布していたので、それを完成させるように指示しました。
 そのときは、隣席の生徒と話し合いをしてよいことにしていたので、教室では生徒が横を向くなどしてふつうに話をしておりました。中には、課題に関する話ではなく、私語をしていた生徒もいたのかもしれませんが、特に誰かが目立って私語をしているというようなことはありませんでしたし、立ち歩いている生徒もいませんでした。
 私は、K君と男子生徒A君がトラブルを生じたときには、その二人に背を向けるようにして机間を回っており、あとから、そのトラブル発生前に、男子生徒A君が隣席の女子生徒の手を触っていたということを聞きましたが、そのような細部の手の動きなどは全く見えておりませんでした。ただ、私が机間を回っている背後で、A君が騒いでいるとか立ち歩いているとかといった状況はありませんでした。(なお、A君は、他の授業中の態度に多少問題があったように聞いており、私の担当する授業でも、たまに私語をしたり立ち歩いたりすることがありましたが、注意を与えると素直に指導に従っていました。)
 そうして私が机間巡回をしていると、背後で突然大きな音がして女子生徒などがワーと声を上げたため、振り向くと、A君がK君の上方から腕を伸ばして胸ぐらをつかみ、A君が床におしりをつくような状態になっていたので、あわてて二人にやめるように制止し、A君のそばに立ちました。すぐに隣の教室で授業をしていた松井和也教諭が来てくれて二人の間に入ってくださったこともあって、それ以上に二人がもめ続けるというような状態はありませんでした。
 そして、松井教諭がA君を連れて教室から出て行き、私は、他の生徒に気持ちを落ち着けて授業に取り組むように促して、机やいすの状態を直すなどしました。K君は黙って机を元の位置に直し、座席に座りましたが、ボタンが無いことに気付いたので、一緒にあたりを探しました。そうしているうちに、松井教諭と芝田教諭が教室へやってきて、K君も教室から連れて行かれました。
 その後、私は、二人の周囲の生徒に何があったのか聞いたのですが、生徒らも、何が起こったのか分からなかったと言っておりました。その後、教室は落ち着きを取り戻しましたので、ふつうに授業を続けました。
 私は、3時間目と4時間目も授業が入っていたので授業を行い、4時間目終了後に1年次職員室へ行って、松井教諭に上記のA君とK君のトラブルについて何かすることがないか尋ねましたが、「今、生徒指導担当の先生が事情確認などをしているところなので、何かあれば林先生に連絡があると思います」と言われたので、1階の職員室に戻り、朝川裕之教頭に、2時間目に起きた上記のことを口頭で報告しました。そのとき朝川教頭から「詳しく事情を聞きたいが、時間があるか」と聞かれましたが、すぐに済むのであれば話ができると言ったところ、朝川教頭は「ある程度時間がかかると思うので、今日はもう結構です。何かあれば電話連絡させてもらいます。月曜日にお聞きしますからよろしくお願いします」と言われ、その後、東住吉総合高校を退出しました。
 翌週月曜日(5月18日)に再び東住吉総合高校での授業があったことから、1時間目に出勤したところ、私は、朝川教頭から、15日に私が口頭で説明した上記の内容を文書にしてほしいと要請を受け、乙17号証の文書を作成して、朝川教頭へ提出しました。

 以上のとおりご報告いたします。

以上